研究会Q&A

Q1 この研究会はどのような集まりなのですか

A1 農業者自らが新しい技術を開発するために、自己負担で研究開発を行うために生まれた組織です。 核となる技術は、土壌の物理的な特性(土壌硬度分布)が収量や品質に関係するという新しい知見を元に研究開発を行います。

Q2 どのような活動を行うのですか

A2 会員の方には自分の欲しいデータの採取(土壌硬度分布)を行うことも可能です。 会員が協力して研究開発を行う場合、共通のデータ採取方法をとって数多くのデータを採取します。そのデータを元に解析を行い、成果を共有します。

Q3 研究会の成果を自社や農場にて活用してもよいのですか

A3 研究成果を活用するための研究会ですので、自由に活用可能です。 ただし、特許申請などを行い研究会の活動そのものを阻害するようなことはおやめください。 研究会の成果などに関わるものを特許申請など行う場合には、研究会の承認を得る必要があります。

Q4 研究会の成果を発表することはできますか

A4 研究会の成果を自社内、農場内で活用するのは自由ですが、それを公に発表、または公開するのはおやめください。 テレビの録画などの複製が個人的使用におさまっているのであれば問題ないのと同じで、研究会の成果は研究会に属する会員すべてのものであり、個人のものではありません。

Q5 会員になると研究会のほかになにか特典がありますか

A5 基本的には研究会ですので、特典ということではありませんが、貫入式土壌硬度計を無償で貸し出しし、データを取ることができます。 そのデータは、会員全員のデータ解析され結果が会員の間で共有されます。

Q6 正会員と賛助会員の違いは何ですか

A6 農業法人、農業者以外はすべて賛助会員となります。賛助会員には、研究会の議決権はありませんが、その他の権利は同じです。 農業関連企業にも研究開発に参加していただきたいのですが、基本的には「農業者の農業者による農業者のための技術開発」ですので、関連企業の方々には賛助していただくという形になります。なお、賛助会員(個人)の方は土壌硬度計レンタルはできません。

Q7 どのような研究成果をえることが出来るのですか?

A7 会員間でどのような研究開発を行うのかを検討して、会員がデータを採取し、解析した結果が研究成果となります。 初年度は、様々な土壌で様々な方法で行った土壌改良が、土壌硬度分布にどのような影響をあたえるのかを調査する予定です。

Q8 様々な研究成果をえるためには、後から入ったほうが有利だと思うのですが

A8 後から入会される方には会費の値上げなども検討しています。
しかし、栽培技術に関しては、先に行って更に技術進化を進めたほうが有利だと思います。
また、栽培技術は日進月歩ですすんでおり、一年、二年の遅れまたは習得するのに時間がかかることを考えると早いほうが良いのは間違いないと思います。 技術全般に言えることですが、結果を真似するだけではうまくゆかないことが多いです。 どうしてそのような技術体系になったのかを知らないと、自分のものになりません。また、失敗、試行錯誤の過程を経ると、応用が効くようになります。 後追いで行う場合に、さほど成功しない理由は、自らの応用ができないというところにあります。

Q9 専門部会とは何ですか?

A9 専門的な課題を解決するために会員が設置する部会。全体の研究会とは別個に研究開発を行います。費用負担などは、研究会とは別に行い、情報の公開なども専門部会の自主性に任せます。 研究会とは別に個人的、集団的に解析を行いたい場合に専門部会を発足します。 具体的に考えられるのは、同一作物、同一地域、生産組合や、大型農家、企業などが個別の案件に対して立ち上げるということになります。研究成果は、専門部会が公開、共有範囲を決めるということになります。

Q10 会員のデータはどのように扱われるのですか?

A10 基本的には会員と研究会に帰属しますが、会員のデータは公開されません。ただし、研究会で会員のデータを解析するために使用します。その解析結果は会員間で共有されます。

Q11 年会費は、いくらですか

A11 正会員(個人・法人) 50,000円/年(1口)
年商5千万円以上の法人は、150,000円/年(3口)
賛助会員(法人) 150,000円/年
賛助会員(個人) 10,000円/年

Q12 一口ではなく、多く口数入るメリットはありますか?

A12 多くのデータを取りたい場合など、口数が増えた分だけ機器の貸出日数を増やすなどの配慮をする予定です。ただし、議決権が増えるということではありません。

Q13 情報共有や研究成果の発表はどのように行うのですか?

A13 会員が全国に散らばっているため通常時のやりとりは、グループウェアなどを活用する予定です。年に一度の総会と年に二度の成果発表情報交換会を予定しています。

土壌物理性(土壌硬度分布)Q&A

Q1 土壌の物理性と収量や品質が定量的な関係にあるというのはどういうことですか

A1 充分なデータあれば土壌の物理性(土壌硬度分布と呼んでいます)と収量や品質と一つの数式の関係として表すことが出来るということです。 簡単な事例で言えば、土壌硬度を測定することで収量や品質を予測することが可能となります。 化学性をどんなに調べても、収量や品質との定量的な関係を見つけることができませんでしたが、土壌物理性(土壌硬度分布)は、収量や品質と定量的な関係を見出すことができます。 水稲、馬鈴薯、ほうれん草、レタス、トマトなどで確認できています。

Q2 土壌の物理性が良くなるとどのような変化が起きるのですか

A2 収量や品質の向上、安定生産が見込まれると考えられます。
ただし、良くなる状態というのを定義する必要があります。栽培上・経営上何を持って良いのというかを定義しなければなりません。

Q3 土壌物理性(土壌硬度分布)の評価基準はすでにあるのですか

A3 ありません。これまで企業内で多くのデータが解析されてきましたが、それは公にされていません。今後も公になる見込みはありません。 この研究会で農業者がデータを採取し、研究会で解析を行うことにより実現の方向を目指します。

Q4 施肥や天候などにより、収量や品質は変わりますが、何故予測が可能なのでしょうか

A4 土壌物理性(土壌硬度分布)の違いによる収量や品質の違いは非常に大きいです。 施肥による収量の違いは20%あれば相当大きいですが、土壌物理性(土壌硬度分布)の違いによる収量の違いはもっと大きい場合があります。 また、天候条件による違いは、土壌物理性(土壌硬度分布)を測定することでかなり把握することができます。 ただし、天候により収量が落ちる圃場条件では、収量の予測は困難で、安定的に収量が望める圃場ではないと予測精度が落ちます。

Q5 土壌物理性(土壌硬度分布)は、土質によると思うのですが土質も勘案されているのですか?

A5 土壌物理性(土壌硬度分布)は、土質に依存する部分がかなり大きいと考えられます。 しかし、現在の取り組みでは土質を勘案せず、土壌物理性(土壌硬度分布)の測定のみから解析を行っていますが、十分な精度です。

Q6 土壌の硬さは測定すればわかるのに解析が必要な理由は何故ですか?

A6 測定した結果でグラフにすることもできますし、視覚的に確認することができます。ただし、それだけでは感覚的なものとあまり違いはありません。 数値のデータを何らかの数字で表さないと意味が無いのです。また、数値で表したことにより収量や品質との関係を見出すことが可能になります。 土壌物理性(土壌硬度分布)を利用するために数値に表すこと自体が、非常に難しいということです。

Q7 目標とする土壌の硬さがわかるのであれば、土作りは簡単ではないですか?

A7 これまでよりも目標がはっきりしているために、土作りの最適方法を見つけるのは容易になるでしょう。この研究会の最初の目標はそこにあります。

Q8 土壌の物理性の重要性が強調されますが、土壌の化学性や生物性は関係ないのですか?

A8 関係あります。場合によっては化学性の改善によって大きく土壌改善が進む場合もあります。 しかし、日本の場合には土壌化学性の改善はかなり進んでいるために、化学性よりも物理性のほうが重要な位置づけになっているものと考えられます。 生物性については、土壌の物理性と密接な関係があると考えられますが、今後の研究課題になります。

Q9 水田はあまり土壌の物理性は関係ないと思いますが、関係ありますか?

A9 水稲でも土壌の物理性は、収量や品質に関係しています。 畑地に比較して水田はあまり有機物の投入などが意識されませんが、有機物の投入などにより大幅な収量増などが望める可能性があると考えています。

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